ラトビア移住12年目。
 
Google
 
<< 花いろいろ | main | 学生さんから花束をもらう >>
お葬式
昨日はお葬式であった。
ママの従姉妹が亡くなったのである。
89歳であった。

お葬式は娘さん一家の住む、リガから車で1時間ほどの町で行われた。

森の入り口に建つ、小さな教会で、ミサの形式のお葬式の後、皆で墓地に移動して埋葬である。

墓地の入り口から埋葬するお墓までは、通り道に木の葉と花が置いてあって、それを辿っていくとお墓にたどり着くのである。

墓穴の深さは2mほどであろうか。
あらかじめ葬儀屋さんによって掘られている。
その横には掘った土がスコップできちんと台形に固められていて、その表面には木の葉で飾りつけがしてある。

墓地での埋葬の間も、音楽の演奏つきである。
持ち運び式の電子ピアノで生演奏である。
今回の演奏者は、一人で電子ピアノとリコーダーを使い分け、時には自ら演奏しながらアベマリアを歌っていた。
素晴らしい。

ラトビアでは埋葬の際に、棺に毛布をかける。
寒くないように、ということなのだろう。

葬儀屋さんは、いつも4人である。
2本の布ロープの上に乗せた棺を、4人でスルスルと墓穴の中へ下ろしていく。

参列者は皆、手で土を三掴み墓穴の中へ入れる。
埋葬に参加する、という意味合いなのだろう。

そのあと、葬儀屋さん達によって穴が埋められ、土を盛る。
盛られた土はやはりスコップできちんと台形に固められ、上表面にはスコップの肢で十字の印を刻む。
木の十字架を立て、僧侶が祈りの言葉を捧げる。
そして、参列者がそれぞれ持ってきた花で盛られた土を覆い尽くすのである。

数週間したら、墓石を立て、お墓として整備するのである。

埋葬の後は、会食である。
参列者は通常全員招待される。

食事は暖かいスープ、冷菜、メイン、デザートである。
通常、メインは茹でたじゃがいもと肉である。
ザ、ラトビアの食事、というメニューである。
食事をしながら、参列者が次々と立ち上がって故人の思い出を語る。

ラトビアに来てからの葬儀への参列は、もう何回めだろうか。
日本で参列したお葬式よりも多いことだけは間違いない。
 
【2016.06.10 Friday 00:38】 author : 管理人
| リガでの暮らし | comments(8) | trackbacks(0) |
この記事に関するコメント
管理人さん、こんにちは。
たしかに年齢が上がると、冠婚葬祭はお葬式ばかりになってきました。

たまに赤ちゃんが生まれたニュースがあるとうれしくてたまりません。

死生を身近に感じつつ、一日一日が過ぎています。

今日はこちらは29度になると天気予報がいうので、午後の外出、びびっているところです。

| megmeg | 2016/06/10 12:30 PM |
ひとり、またひとりと知ってる人に会えなくなるのは寂しいですね。
不謹慎かもしれませんが、ラトビアのお葬式は故人に敬意を払っているようで素敵だと思いました。場所を教えて頂いた墓地もとても落ち着きがあって、故人と話をするのにいいな、と思った記憶があります。
イギリスも似たような感じですが、堀った土は横にただ盛られているだけ、埋めた後もそんなに手を込めた感じはないです。一年前の墓石でさえ左右前後関係なく傾いてます。
大きな墓地がすぐ近くにあるせいで、いつも死について考えていますが、管理人さんの記事を読んで、自分の死よりまず亡くなった人の事を思い出そうと思った次第です。
| かまくら | 2016/06/10 8:01 PM |
映画のシーンようのな情景が目に浮かびます。
ラトビアの郊外は”静謐”という印象を強く受けたので、
墓地にもそのような雰囲気に包まれているような気が
します。
最近は家族葬も多くなてきた日本のお葬式ですが、それでも
葬儀社の方がマイクを持ち、仕切り、ベルトコンベヤーに
乗ったような進行で進み、しみじみと故人を偲ぶという
雰囲気からは程遠いような感じです。
| murako | 2016/06/10 8:27 PM |
ええーっ?
いつ見てもクロッカスの花の写真が見えて
このぶんでは次の更新は大方七月じゃろう
なんてタカをくくっていたらなんですか
この連日の更新!
大変ご無沙汰して失礼いたしました。

葬儀屋さんが用意したお墓のシーン、リガ郊外の墓地に行った時に見ました。いつも映画などで見る墓穴がきちんと、本当に定規で線を引いたようにきちんと角を取って赤土に掘られている光景は印象深いものでありました。 また多分ごく最近埋葬が済んだばかりと思われる花でびっしりと覆われたおは墓もありましたっけ。
あの十月末の斜めに松林を通して日が差す墓地の冷たさが思い出されます。
しかし墓地の入り口からの道案内が木の葉と花、これから土に還る死者を暗示して厳粛な気持ちになります。

自分の番ももうじきに回ってくると思うと人ごとではない気がいたします。
しかし個人主義が骨がらみのヨーロッパ文化の中でお墓はじきに誰も詣り手がいなくなってしまうのでは?
| sansan | 2016/06/11 3:43 AM |
こんにちは、megmeg殿。
赤ちゃんが生まれた、はいいですね。新しい命が生まれるって素晴らしいですよ。そういうしらせがたくさんだといいですよね。本当にそう思います。

こんにちは、murakoさん、
ラトビアのお葬式は手作り感満載です。そこにいる誰もが葬儀の一部という感じです。棺の中の故人に触れ、花を供え、言葉をかける。私もこういう風に送ってもらいたいなあ、と思う葬儀です。

こんにちは、かまくらさん、
ちょっと思うのは、自分の死は多分それほど辛くないんだろうな、ということです。だって、死んじゃうんですもの、その時だけですよ苦しいのは(笑)。でも、誰かの死を見送り続けるのは辛いです。失い続けるのと、自身が失われるのと、どちらがいいのかはよくわかりません。

こんにちは、さんさんさん。
へへへ、更新してるんですよ。今学期はあと学年末試験で終わりなのです。
ラトビアの埋葬はもう何回も見てきたのですが、いつも参列者もがっつり葬儀の一部、という感じです。なんていうんでしょうか、参列者は、故人を葬ることに参加している、という感じです。お葬式は、本来こうあるべきなのだろうなあと思います。皆で集まって、葬る、のです。土葬ということもあるのでしょうね。
私は、お墓はまあ、そのうち誰も見なくなるものだと思っています。現在、例えば、私の場合、旦那のお母さんの両親のお墓、がベラルーシの国境付近にあるのですが、私たちの後は誰も面倒を見ないです。そんなもんですよね。まあ、一代見てもらったらオッケーでは(笑)
| 管理人 | 2016/06/12 6:35 AM |
知っている人が詣ってくる、それでOKなのは私も激しく同意しますがあの墓石という代物は結構長持ちするのですよ。アイルランドの田舎の墓地で見た何百年も前のヘッドストーン、傾いてもう倒れそうなぐらい傾いてそれでも誰も手を出そうとしていなかった。
あれを見ると石というものを建てる、それこそピラミッドから人間の願う「死後も名を残したい」という願望の現れなんでしょうが、
手入れされずに墓石だけそこにあるのはどうも私のセンチメントに合わないような気がいたします。といって散骨というのは遺族に聞くと「どっち向いて頭下げたら良いか目印がないと困る」という方が多い。なかなか難しいものです。
日本でボーズしていた時部落の長老が「土葬のお墓は3年墓石を建てんのじゃ、棺下がりするからノォ」と言っていたことを思い出しました。土の下で死者が落ち着くまで上に重いもの乗せてはいかん、そんな言い伝えだそうです。
| さんさん | 2016/06/12 8:39 AM |
こんにちは、さんさんさん。
そうですよね、ママはそういう手入れされていない、というか、誰も来てくれない近所のお墓の手入れをしてました。簡単でひと手間なことなのに、普通はできないですよね。
こちらのお墓は、埋めてから数週間で墓石を建てるのですが、墓石は棺の埋まっているところではなく、頭の方向です。棺の埋まっているところには、小さな花壇を作るのが割と普通です。毎年春に花を植えて、冬になるまで手入れする、という感じです。
| 管理人 | 2016/06/14 5:07 AM |
そう言われれば英語でも”head stone"と言いますよね。
人間の経験の蓄積は洋の東西を問わず同じ知恵に導く…
のでしょうね。

埋葬した部分は花壇にする、ああいいなぁ。どうりでリガの墓地にもはあちこちに井戸があって古風な手押しポンプがしつらえてありましたっけ。

なんて墓地談義この辺にいたしましょう。
この次ご帰国のさいに千葉県佐倉市にある国立歴史民族学博物館に行かれることをお勧めいたします。あそこの日本各地のお葬式の習慣とその底にある人々の”悼む”感情の流れの展示は
実際たいしたものだと思いました。
| さんさん | 2016/06/14 6:32 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://latvian-style.jugem.jp/trackback/2051
トラックバック


記事の内容には特定個人の情報及び特定個人の情報に結びつくような表現が含まれないように気をつけておりますが、万が一個人を特定するような表現が見られ、不都合であると思われた場合には記事を削除または訂正しますので、下記リンクからのメールフォームにてお知らせいただきますようお願いいたします。また、コメント欄にはメールアドレス等はご記入いただかなくて結構です。

» 管理人へのメールはこちらからどうぞ。

本サイト内のコンテンツは出典を明記すれば自由に使用できます。
Creative Commons License