昨日はT
he heiress of Vilkaciというラトビア語のオペラのワールドプレミアであった。
これは、ラトビア人作曲家によって1940年代に歌の部分のみが作曲され、後にオーケストラ部分をつけてオペラとして仕上がったというものである。
物語は、ロミオとジュリエットのハッピーエンドバージョン、といったところであった。
二つの隣り合った大家族がいて、片方が常にリッチで、もう片方はそれほどでもない。それほどでもない方の大家族は、隣の大家族が魔法使いだからリッチなのだと信じていたりする。それほどでもない方の跡取り息子は別のお金持ちの家の女性と婚約しているが、隣の家の跡取り娘に恋をする。夏至祭の夜に、跡取り息子と跡取り娘は結ばれるのだが、そのとき限りであった。しばらくしてリッチな家の跡取り娘は男の子を産む。そうこうしているうちに両方の家が火事で燃えてしまう。すったもんだの末、両家は跡取り息子と娘とその子供を中心に仲良くやっていくことになる。
なんと言うか、ラトビアの田舎の暮らしが満載のオペラであった。
民族衣装も満載で、まあ、ラトビアの時代劇といったところであろうか。
というわけで、是非リガへ来た時には見ていただきたいオペラである。
さて、ワールドプレミアということで、今回は首相と大統領が見に来ていたのであった。
現在、ラトビアは大統領選のまっただ中直後で、現職の大統領の人気が急上昇中なのである。
というのも、3人の大物政治家に汚職等の捜査の手が伸びて来ているのだが、そのうちの一人(議会メンバー)の家宅捜索を可能にする審議が議会で否決されたことを受けて、大統領がその権限で議会を解散させる方向へ持って行ったのである。折しも大統領の任期が切れるので、大統領選となる訳だが、まあ、汚職嫌疑のかかっている政治家寄りの政党は、別の候補を立てて対抗し、というような面倒くさい状況になっていたのであった。
大統領が2階の舞台横の特別席にやってくると、もう、オペラ中の観客が起立して拍手の嵐、であった。まあ、一般民間人に人気があっても、再選されるとは限らないのである。。
残念ながら現職大統領は対抗候補に破れて、来月には議会を解散させるかどうかの国民投票が行われる予定で、そこで解散となると9月ごろに総選挙となる。
ちなみに反対側の特別席には首相がいたのだが、こちらは特に何もなかったのであった。