ラトビア移住12年目。
 
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必要性
雪かきの結果、街中に雪の壁が出没しているリガである。

さて、管理人の仕事上のポジションは「外国人研究者」である。
失業率が15%を超えているラトビアで、地元民の職を奪っているわけではない。
研究プロジェクトによくあるパターンで、プロジェクトに国際色を添えるために、外国人研究者が参画するとプロジェクトが採択されやすくなるのである。

というわけで、言わば「職業としての外国人」なのである。

そんなものは、プロジェクトに必要なのであろうか?

という素朴なギモンを抱いた人も多いかと思う。

何を隠そう、管理人自身もそう思っていたのである。
そして答えは、必要、なのである。

というのも、ラトビアは人口がそもそも少ないので、専門家の種類も数も多くないのである。
言い換えれば、

「椅子がひとつしかない椅子取りゲーム」

のようなものなのである。

専門性が高ければ高いほど、その椅子に最初に座った人は、ヘタをすると数十年動かない上に国内での競争があまりないので、閉塞性の高いパラダイムが形成されやすくもあるのである。

だが、そのあたりのことは、もちろんラトビア人はよくわかっていて、自分の積み上げてきた学問や知識は、基盤として捉え、臨機応変に専門外のことに移っていくのである。
つまり、自分の必要性を見定めることができるのである。

日本では、全く自分の必要性など考慮したこともなかった管理人である。

そして今、ここで自分の必要性を考慮すると、ああ、そうか、とわかってくることがある。

それは、自分の立ち位置である。

必要だからこそ雇われているのだとすれば、その必要性に応える必要性があるのである。
果たして何が必要とされているのか。

アジア顔であることではない。
下手な英語でしゃべることでもない。
もちろん、日本文化を伝えることでもない。

外国人にしか出来ない、すなわち、この国の専門家ではカバー出来ないことを求められているのである。

出来るだろうか?
ま、やるしかない。

たまには、真面目なことも考える管理人であった。
【2010.02.04 Thursday 22:53】 author : 管理人
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クリアな視界
待ってましたの金曜日を楽しんでいる管理人である。

さて、この3週間、一体何をしていたのかというと、ただひたすら調べ物である。

管理人の関わっているプロジェクトは、乳がんの包括的診断及び治療、というテーマの中の遺伝子にかかわる部分である。

さすがに、仕事場では

「えっと、ちょっとミカンでも食べようかな」

とか、

「5分だけゲームで息抜き」

という訳にはいかないので、それはそれは集中して調べ物ができるのである。
おかげで、危ぶまれていたシナプスの再結合も完了したのであった。

時間はかかったが、シナプスの再結合が済むと、なんともスガスガしい気分である。

なんとも、分解して、サビを落として、部品を磨いて、組み立てなおして、油をさして、スタートしてみたら、子猫がゴロゴロいうような心地よいエンジン音が聞こえてきた、そんな感じである。
そうなれば、もうあとは注意深くアクセルを踏み込むだけである。

この感じ、何年ぶりだろうか。

頭の中の霧が、本当に、すっきりと払拭されたような気分なのである。

視界がクリアになると、全く脱皮したかのような新鮮さである。

【2010.01.22 Friday 22:51】 author : 管理人
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安らぎ?
晴天が続いて、積もっていた雪が溶けずに蒸発していって、道に滑り止めにと撒かれた塩が析出しているリガである。

さて、仕事を始めて3週間が経とうとしているの管理人である。
なんとなく、仕事場にも慣れてきて、だが、しかし、相変わらず謎の外人状態も継続中である。

管理人の仕事は、殆どコンピューターに向かっているタイプの仕事である。
コンピューターを使っていない時は、論文を読んでいる場合が多く、
気合の入ったデスクワークである。

一日の仕事は、特にここまでというような区切りはない。
なので、勝手に

「今日はここまで」

と決めた時が、一日の仕事の終わりである。

だが、実際には旦那と一緒に帰るので、適当に双方の都合にあわせて切り上げるような格好になっているのである。

そして、家に帰ってきて、夕食後の一時はマッタリとくつろぐ時間となるのだが、
何故か、コンピューターに向かって、非常に単純なゲームをしていたりする自分に気づいたりするのであった。

そんなこんなのコンピューター漬けで、なんとなく肩も凝ってきたような気もするので、来週からはコンピューターゲームを控えようと思う管理人であった。
【2010.01.21 Thursday 23:27】 author : 管理人
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出勤風景
週末が近づいてくると、妙にウキウキしてくる管理人である。

昨日は、昼からなんだか霧っぽいなあ、と思っていたら、夜になってもっと霧が出たらしく、今日の朝外へ出てみると、全ての木々が真っ白に凍り付いていた。
樹氷というのだろうか、ラトビア語ではサルマというのだそうな。

街の建物を見上げると、たくさんのツララが出来ている。

車の往来が激しい通りだけは、黒っぽくアスファルトが見えていて、
それ以外は道も、木々も、どこもかしこも真っ白である。

そこを人々が速い足取りで歩いている。
幼稚園か何かに連れて行くのか、子供の乗ったそりを引く若い女性もいる。

そして、人々からも白い息が立ち登る。

ダウガワ川も凍って雪が積もって真白で、
その上を飛ぶカモメも白い。

マイナス16℃の、白い出勤風景である。
【2010.01.14 Thursday 21:17】 author : 管理人
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G社依存
 仕事を再開して、しばらくの間ほとんど必要のなかった、ワープロ、表計算、プレゼンテーション、といったファイルを扱い始めた管理人である。

主婦業をしていた4年半は、どうしても必要な時にはOpenOfficeを使っていたのだが、今回試しにGoogle ドキュメントを使ってみたら、やたらと便利で、大変驚いたのだった。
もともと、メールの添付ファイルを見るときにはGoogle ドキュメントを使っていたのだが、新規文書の作成も、気がついたらどんどん機能が充実してきていて、実に使い勝手が良くなっているのである。
なんといっても、何気にテンプレートもたくさんある上に、それらをいちいちダウンロードしなくていいというのは素晴らしすぎである。しかも、出来上がった書類は、様々なファイルタイプに変換してダウンロードできるし、共有もできるし、至れり尽くせりなのである。

メールもGmail意外にはもう考えられないし、最近は日本語のインプットメソッドもGoogleのIMにしてしまった。

Time紙を読んでいたら、ブラウザもChromeが一番速いということなので、FireFoxから乗り換えてしまった。

もう、すっかりGoogle漬けの生活である。


【2010.01.13 Wednesday 20:30】 author : 管理人
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職場の外人
さて、すっかり職場の外人と化した管理人である。

思い起こせば日本で働いていた頃、職場に外人がやってくると、全力で走って逃げていた管理人は、全く、そうとうひどい人であったことになるのだが、なぜ、全力で走って逃げていたのかという理由を考えることにより、現在の職場における自らの「外人道」を全うに突き進むことができるハズである。

それでは、その昔、外人から走って逃げていた若き管理人の気持ちを振り返ってみよう。

1)外人なので、何を考えているのかわからない。

2)英語で話しかけられて、答えられなかったら恥ずかしい。

3)面倒なことに巻き込まれたくない。

4)ひたすら緊張する。

なんと、最もな感覚であろうか。
職場のラトビア人のお嬢さんたちも、きっと同じような感覚に見舞われているに違いない。

だが、「わかる、わかる、その気持ち」と言っているわけにはいかないのである。

否が応でも外人に慣れてもらわなければなるまい。

ということは、ひたすら話しかけるということであろう。

そういえば、管理人の意識の中で、旦那が「外人」から「普通の人」に変わったのは、旦那がしゃべり続けていたからだったかも、と思ったりする管理人であった。
【2010.01.12 Tuesday 22:07】 author : 管理人
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明瞭会計
連日、雪続きのリガである。

旦那の研究室で働き始めて3日が経過し、とにかく、名前を覚えるのが一苦労な管理人であった。

研究室には女性ばかり6人が働いていて、管理人を除くと、いづれも若いお嬢さんたちである。
このお嬢さんたち、いやはや、全く感心しきってしまうほど、よく働くのである。

研究室というと、どこでもそうなのだが、実験補助として働いているのはたいていが女性で、お昼やお茶の時間が長引いてしまいがちである。が、しかし、こちらのお嬢さんたちは、それはモクモクと働くのである。お昼も持ってきたお弁当をせいぜい15分ぐらいで食べ、お茶の時間は取らない。一日の仕事は、予め彼女たちの都合で計画が立てられていて、その日の仕事が終わると、さっさと帰る。

仕事の内容を聞いてみると、それはびっくりするほど明確に仕分けされていた。
これは私の仕事で、あれは彼女の仕事、というように、境界線がはっきりとしているのである。

からくりは単純であった。

それぞれの仕事は、料金が違うのである。

つまり、彼女たちは、それぞれに与えられた仕事の、どの部分が誰からいくら支払われているのかを知っているのである。時給や月給という時間単位の考え方ではなく、このプロジェクトはいくら、というように、プロジェクトごとの値段で把握しているのである。
言うなれば、出来高制である。

この、プロジェクトというのは、いわゆる科学研究費とかグラントとかというものである。

日本では科学研究費に人件費が含まれない場合が多いが、ここでは科学研究費の費用内訳のかなりの部分が人件費に充てられる。
これはラトビアの事情ではなく、ヨーロッパがそうなのである。

そして、多くのプロジェクトに参加することができれば、その分仕事量は増えるが、給料も増えた仕事分がきちんと増えるという仕組みなのである。
また、あるプロジェクトに参加して、きちんとあたえられた仕事をこなさなかった場合、次のプロジェクトには参加したくても参加させてもらえないことになるのである。

その上、彼女たちの殆どが、働きながら、プロジェクトの範囲内のテーマで修士号や博士号を取得していくのである。取得した修士号や博士号は、確実に次の就職をステップアップさせることができるのだそうだ。したがって、学位をとるために大学院に在籍している人は、さらに熱心に働くのである。

日本の研究室とはだいぶ違うなあ、という印象である。

【2010.01.06 Wednesday 22:39】 author : 管理人
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